共働き家庭のリアルな家事動線
共働き家庭のリアルな家事動線
共働きのご家庭の日常をイメージしてみます。
仕事から帰ってから夕食の準備をしたり、洗濯をしたり、子どものことをしたり。
限られた時間の中で、毎日たくさんの家事をこなさなければなりません。
「できるだけ家事をラクにしたい」
「家事のために家の中を何度も行ったり来たりしたくない」
家づくりのご相談でも、そんな声をよくお聞きします。
そこで今回は、共働き家庭の暮らしをリアルにイメージしながら、毎日の家事を少しラクにするための動線について考えてみたいと思います。
________________________________________
帰宅してからの動きを考えてみる
まず考えたいのが、家族が家に帰ってきてからの動きです。
玄関から家に入って手を洗う→荷物を置いて着替える→そしてリビングへ。
一見当たり前のような動きですが、実際に暮らし始めてみると「ランドセルはどこに置く?」「上着はどこに掛ける?」など、細かな動作がたくさんあります。
例えば、玄関から洗面室へスムーズに行けるようにしたり、玄関の近くに収納を設けたり。
「帰ってきたら、どこに何を置くのか」まで考えておくことがポイントです。
毎日のちょっとした動作をスムーズにするだけでも、暮らしやすさは変わってきます。
________________________________________
洗濯は「洗う」だけではありません
家事動線を考えるとき、特に重要なのが洗濯です。
洗濯は、
洗う → 干す → 取り込む → たたむ → しまう
と、実はたくさんの工程があります。
洗濯機の近くに物干しスペースをつくれば、それだけで便利になりそうですが、乾いた後のことも考えてみましょう。
干した洗濯物を取り込んで、別の部屋でたたんで、さらに別の場所にある収納へしまう。
これでは、せっかく物干しスペースを近くにつくっても、洗濯物を持って何度も移動することになります。
洗濯機・物干しスペース・収納をできるだけ近くにまとめるなど、洗濯物が最後に「しまわれるところ」まで考えて動線をつくることが大切です。
________________________________________
キッチンは「料理をする」だけではありません
仕事から帰って夕食を作るときも、いろいろな動きがあります。
冷蔵庫から食材を出す。
パントリーから調味料やストックを出す。
料理をする。
できた料理をテーブルへ運ぶ。
食事が終われば、食器を片付ける。
この一連の動きをイメージしてみると、キッチンまわりで何度も行ったり来たりしていることに気づくかもしれません。
例えば、冷蔵庫とキッチン、パントリーの位置関係を考えたり、ダイニングへの配膳や食後の片付けがしやすいようにしたり。
「料理をするとき」だけでなく、「料理を始める前と終わった後」まで考えることが、使いやすいキッチンにつながります。
________________________________________
家事をする人が動きやすいことも大切
共働きのご家庭では、家事をご家族で分担されることも多いと思います。
例えば、
料理をする人がキッチンにいる間に、もう一人が洗濯物を取り込む。
子どもが学校の準備をしている横で、朝食の片付けをする。
そんなふうに、家族それぞれが同時に動くこともあります。
そのため、家事動線は「一人が効率よく動けるか」だけでなく、家族が同時に動いたときにも使いやすいかを考えてみるとよいでしょう。
動線が重なりすぎると、忙しい朝や夕方に家族同士がぶつかってしまうこともあります。
家族がどの時間帯に、どんな動きをするのかを一度書き出してみるのもおすすめです。
________________________________________
家事動線は「短ければいい」とは限りません
家事動線というと、「できるだけ短くすること」が良いように思えます。
もちろん移動距離を短くすることは大切ですが、それだけが正解ではありません。
例えば、
掃除機はどこに置く?
洗剤やトイレットペーパーのストックはどこにしまう?
子どもの学校用品はどこに置く?
タオルはどこで使って、どこにしまう?
そんなことも一緒に考えてみましょう。
「使う場所の近くに収納する」ことも、家事をラクにする大切なポイントです。
家事のたびに収納場所まで取りに行ったり、片付けるために別の部屋まで移動したりすることが減れば、毎日の小さな負担を減らすことができます。
________________________________________
「家事をする時間」ではなく「暮らし全体」で考える
家事動線を考えるときは、間取り図だけを見て考えるのではなく、
「朝起きてから仕事や学校へ行くまで」
「仕事や学校から帰ってから寝るまで」
というように、一日の生活を実際にイメージしてみることが大切です。
朝は洗濯をしながら子どもの準備をする。
夕方は料理をしながら合間で洗濯物を取り込む。
夜は片付けをしながら翌日の準備をする。
このように、実際の生活を思い浮かべてみると、「ここに収納があったら便利」「ここはもう少し近いほうがいい」といったことが見えてきます。
家事をラクにする間取りに、決まった正解はありません。
家族の人数や生活スタイルによって、使いやすい動線はそれぞれ違います。
だからこそ、家づくりでは「どんな家にしたいか」だけでなく、**「この家でどんなふうに暮らしたいか」**を考えてみることが大切です。
これから家づくりをされる方は、ぜひ一度、今の暮らしを思い浮かべながら、一日の動きを書き出してみてはいかがでしょうか。
家事の中で「ちょっと面倒だな」と感じていることが、実は間取りを考えるヒントになるかもしれません。