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|2019.09.19

木造住宅のシロアリ(白蟻)対策

先日の記事でも少し触れましたが、「木造住宅は腐らない?」 (→ 前回の記事)というご質問と同じくらい、お客様からご質問を頂くのは「木造住宅はシロアリ大丈夫?」です。

と、いうことで今回は木造住宅とシロアリについてです。

シロアリとは

日本で多くの被害をもたらしているのが、ヤマトシロアリ・イエシロアリです。この2種は土壌シロアリとも呼ばれ湿気が多くジメジメした場所を好みます。木造住宅の柱や土台となっている木材を餌として食べながら繁殖するので被害に合うと、住宅の強度や品質を著しく低下させてしまいます。

そして何より・・・床下にこんなのがうじゃうじゃいたら気持ちが悪い。なので、しっかりとした対策が必要です。

シロアリ対策の考え方

シロアリも、ざっくりいうと我々と同じ地球で暮らす生物です。私たち人間と同様「栄養・水分」「適度な気温(湿度)」全てが揃っていないと生きてはいけません。つまり、シロアリが繁殖する床下を湿気がなく常に乾燥した状態に保っておくということがシロアリ対策ではとても大切です。

では実際、最近の木造住宅ではどんな対策をしているのかを今までの木造住宅(旧木造住宅)の構造と欠点を合わせてご紹介します。

旧木造住宅の床下換気口の欠点

木造住宅では長い間、基礎に「床下換気口」という開口が開けられていました。この換気口が基礎に何箇所か設けられ、そこから空気を取り込み、床下換気の役割を果たしていました。開口の大きさは大体、幅30㎝~、高さ15㎝~ぐらい。面積でいうとA4ノートぐらいでしょうか。

ただ、この換気口には欠点があります。

  • 基礎コンクリートに開口するため、開口廻りにクラック(ひび割れ)が発生する可能性があること。
  • 万が一その換気口の前に物や設備を置いてしまうと換気能力が下がってしまうこと。
  • そしてなにより、部分的な開口なので家の床下全体の換気量を考えた時に容量不足な場合があるということです。
    床下に出入りする空気量が少ないと湿気がこもり、シロアリが大好きな環境を作ってしまいます。

床下換気の対策

そこで、弊社を含めて最近の木造では基礎パッキン工法というものを採用しています。
基礎パッキン(1)

基礎パッキン (2)

基礎と土台の間に置いた、穴の開いた「基礎パッキン」から空気を取込むことにより従来の部分的な換気口に比べて1.5~2倍の換気量を実現しています。

旧木造住宅の基礎の欠点

昔の木造住宅の床下を除くと、「土」が見えます。これは布基礎と呼ばれる工法で、こちらも古くから良く使われていた工法です。基礎と基礎の連結が少ないことから強度的にも弱いということと、地面からの湿気がそのまま上がってくるので、こちらも湿気の多い床下になってしまう原因となります。

基礎の対策

最近では、弊社を含め基礎の立ち上がり部分とその間の水平面にもコンクリートを打つベタ基礎工法になっています。
ベタ基礎

強度はもちろんですが、地面から上がる湿気を防いでくれます。また、弊社では配筋・コンクリート打設前に防湿シートを全体に敷くのでさらに地面からの湿気がお家の床下に上がりにくくなっています。
基礎の防湿シート(全体)

基礎の防湿シート

旧木造住宅の床組み欠点と対策

お家の床を支える床束という材料ですが、シロアリの被害が出やすい場所となっています。冒頭でご紹介したように、土壌シロアリというだけあって、シロアリは空気に触れるのを嫌います。なので、土から出てきたシロアリは床束を食べながらトンネルを作りそこから土台・柱といった具合に家の中に進入してきます。旧木造住宅ではこの床束も木材でしたが、今は鋼製束といってスチール製の製品に変わっています。

いかがでしょうか。今までの木造住宅は、湿気が溜まりやすい構造になっていたので、木造=シロアリといったイメージが定着したのかもしれません。しかし、ご紹介したように今では湿気が溜まらないような工夫をしっかりとしています。

高温多湿の日本に向いているとされ、価格も鉄やコンクリートと比べて安価。その上、設計自由度の高い木造住宅。お家をお考えの際は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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